ひたちなか市 リハビリ強化型⚽🏃♂️
🍀児童発達支援・放課後デイサービス・保育園等訪問支援事業🍀
ハッピースマイルです🍀😊😊
発達分野における研究レベルは日本よりも海外が進んでいるという現状や、海外のほうが様々な考え方があるという状態です🍀🌸
しかし、海外の文献は全て英語💦💦
私達にはどうしても勉強しにくい状態です🥲🥲
しかししかし!!
ハッピースマイルには、TOEIC965点上野大先生がいます🍀🎶
今日の内容も海外の英文を要約した内容が含まれています🌸⭐⭐
こんにちは。作業療法士の上野です。
本日は、原始反射の一つである
非対称性緊張性頸反射
についてお話したいと思います。
ATNR(Asymmetrical Tonic Neck Reflex):非対称性緊張性頸反射(ひたいしょうせいきんちょうせいけいはんしゃ)
反射がみられる時期:0−2ヶ月
統合される時期:4−6ヶ月
刺激条件:頸の回旋によって刺激を受けます
どのように反応するか:乳児を仰向けで寝かせて、首を右に回旋(右に曲げる)させると、右腕右足が真っ直ぐ伸び、左腕左足が曲がります。左に向かせると、左腕左足が真っ直ぐ伸び、右腕右足が曲がります。
重要性:目と手の協調性の土台となり、距離の感覚を養います。例えば、赤ちゃんのそばでガラガラを振ると、その音の方へ顔を向けます。顔を向けると同時に、顔を向けた方と同じ側の腕が伸びてガラガラを手に取って振ります。目で「見た」ものを「触る」ことで、その情報が蓄積され、適切な距離感を学習し、手と目を同時に使用して、環境に適応した行動がとれるようになります。また、前庭感覚への刺激にも関係し、筋肉の張りの調整にも関わってきます。
統合されているかどうかを確認する検査:四つ這い姿勢をとってもらい、首を片側に曲げた時に反対側の腕が曲がってないかを確認します。このような状態が少しでもみられる場合は、まだ十分に統合されていないことを示唆します。
残存の影響:
座る姿勢
椅子に座る際に、子供が非対称な姿勢になっていることがあります。右利きの場合、顔を正面に向けた時に、右腕と右脚が伸び、左腕と左脚が曲がり、体幹は正中線から左方向へ離れた向きに斜めの状態で座っていることがあります。
注意や集中
子供が注意を向けようと、ある方向に頭部を回旋すると、顔の向きと同じ方向に体ごと回旋してしまうことがあります。このような場合、分離した行動を伴うような課題に苦労することがあります。例えば、頭部を固定した状態で、目線だけを先生の方に向けて、机にある折り紙を両手を使って半分に折る作業が困難となることがあります。
書く動作
物を書く時には、身体の各部位の分離した動きが大切になります。ATNRの残存は、それを妨げる要因となります。もし、子供が正中線から離れた方向に頭部を回すと、向いた方向の手足が伸ばされ、その逆側が曲がるように動いてしまいます。
このように、ATNRの残存は、子供が紙を非利き手で抑えることを困難にしたり、利き手で鉛筆を上手くコントロールして書くことを妨げます。また、黒板を見て、それをノートに書き写す動作は、頭部と視覚の分離された動きが必要となり、ATNRの残存はこの動作も困難にさせます。
ハサミ操作
ハサミの使用にも影響を与えます。紙を切るときは、正中線上で紙を非利き手で抑えて「縦方向」に切りますが、ATNRの残存している子供の中には、非利き手で紙をぎゅーと握ってしまい、紙を「横方向」に切っていることがあります。
両手動作
両側の体を独立させて動かすだけの基盤が欠けており、両手を協調させて動かしたり、目と手を同時に動かす動作が困難となります。例えば、ファスナーを上にあげたり、靴紐を結んだり、楽器を演奏することが困難となります。
読む動作
物を読む能力には、目をスムーズに動かす能力が必要となります。ATNRが残存している場合、頭部の動きから目を分離して動かす能力が乏しいため、読みたい場所の「特定」、「スキャン」、「トラッキング」、「注視(じっと見つめる)」などの動作が困難となる場合があります。
キーボード操作
両手を体の正中線上にもっていき、キーボードの使いやすい位置に配置することができず、一本の指で探して押すような操作になってしまうことがあります。
歩行動作
歩いている最中に、頭部を正中線から離れた方向に回した場合、子どもの身体全体が頭部の方向と同じ向きになってしまうことがあります。
他の児童と違う方向を向いてたり、列からはみ出してしまったり、他の児童と違う動きをしてしまい、列になってまっすぐ歩くという行為を困難にさせます。
走る動作
左右均等に腕を振ることができなかったり、全体的に走行スピードが遅く、正確性に欠けます。また、他の児童と同じように動くことができないため、球技やチームで動く必要性のある活動では、遅れをとってしまうことがあります。
統合を助ける体操:
①トカゲ体操
腹這いになり、左に頭部を向けて、左上下肢をL字に曲げます。右の上下肢は伸ばしてリラックスさせた状態で、その姿勢を10−30秒保持します。
次に、頭部だけ右に回して、その後に左上下肢を真っ直ぐ伸ばしてから、今度は右上下肢をL字に曲げてその姿勢を10−30秒保持します。左に頭部を回してから右上下肢を真っ直ぐに下ろします。
②手で膝をタッチ
仰向けになり、左膝を上げて左手で膝をタッチする動作を10回繰り返します。次に、右膝を上げて左手でクロスタッチする動作を10回繰り返します。
終わりましたら、今度は右膝を上げて、右手でタッチを10回繰り返します。次に、左膝を上げて、右手でクロスタッチする動作を10回繰り返します。
立ってできる子供は、同じ動作を、立ってチャレンジしてみましょう。
③立位でもも上げ運動
真っ直ぐ立った状態から、両手を真っ直ぐにして、両手を天井に向けた状態で保持します。右膝を腕の高さまで上げます。今度は左膝を腕の高さまで上げます。これを交互に15−20回繰り返し、3セット行います。
④壁を利用したプッシュアップ(腕立て伏せ)
壁に対して左手が壁側にくるように立ちます。左手を壁につけ、左側に頭を向けて壁を見ます。右手は腰に添えて、両足は肩幅ぐらいに開きます。左腕を曲げたり、伸ばしたりを10回繰り返します。左膝も軽く曲げるように曲げ伸ばしします。
次に、頭部を壁と反対側に向け、右腕を伸ばして右手の先を見ます。左手は壁につけたまま、左腕を曲げ伸ばし10回行います。頭部が壁の方を向かないように注意しましょう。
終了しましたら、今度は右手を壁につけて、同じ動作を右手でも行ってみましょう。
統合を助ける活動:
① シャボン玉をフラフープの中に飛ばさそう
まず子どもは仰向けになります。子どもがシャボン玉液を自分でつけられるような腰の辺りの位置に、シャボン玉液を入れた容器を設置しておきます。
大人がフラフープを仰向けの子供の顔の横に設置します。そのフラフープを目掛けて、子どもはシャボン玉を吹きます。
②一列になってお金を横に渡していく
一円玉あるいはボタンを10-20個、紙皿の上にのせます。子どもたちは仰向けになって、手を広げてぶつからない間隔を開けて横一列に並びます。
一番右端にいる子どもの右側にお金が置いてある紙皿を置きます。各子どもの間には空の紙皿を置いておきます。
一番初めの子どもは、右側を向いた状態でお金を一枚拾い、左手にお金を移してから、左を向かずに腕を伸ばして隣にある空の紙皿の上にのせます。次の子供も同じようにお金を隣の紙皿に渡していきます。
2チームあれば、競争をさせたり、タイムを計ったりできます。
③仰向けにてお手玉投げ
子どもは仰向けになります。その子どもの横にお手玉を10個置いて置き、そこからさらに30cmぐらいのところに容器を置いておきます。
子どもにお手玉を容器の中に投げ入れてもらいますが、ATNRが残存している場合、腕を曲げてから投げ入れることができないため、様々な代償運動がみられます。
例えば、腕を真っ直ぐ伸ばしてそれを固定し、手首だけを使って投げ入れたり、腕を大きく反対側に振ってから勢いで容器に入れようとします。また、顔を反対側に向けて投げようとするなど、様々な代償が見られるので、必ず腕を曲げてから投げ入れるように声がけをしましょう。
④顎と肩にボールを挟もう
顎の下にボールを挟みます。その次に、右肩と頭部でもう一つボールを挟んだ状態で四つ這いになります。この状態を保ったまま、15−20歩進みます。 ATNRが残存してる子供は、頭部をどちらかに回すと、後頭部側の手足が曲がってしまい、四つ這い姿勢を保てない場合があります。その時は、まず、頭部を回しても、四つ這い姿勢が保持できるように練習していきましょう。