ひたちなか市 リハビリ強化型⚽🏃♂️
🍀児童発達支援・放課後デイサービス・保育園等訪問支援事業🍀
ハッピースマイルです🍀😊😊
こんにちは🍀🍀
作業療法士の上野です🍀🍀
本日は原始反射の一つである手掌把握反射についてお話致します✋✊
<手掌把握反射とは🍀🍀>
皆さんは赤ちゃんの手の中に自分の指を入れたことがありますか(?_?)
赤ちゃんは手に触れられた瞬間、すぐにぎゅっと指を握ってくれますね😊😊
赤ちゃんは手のひらで感知したものは指だろうが、髪の毛だろうが、服の裾だろうが、とにかく握ったらなかなか離しません☝️⭐️⭐️
この現象をアメリカでは、まるで“death grip”のようだと表現しています🍀
「絶対離さない握り」という意味合いで使っているようです。
この手掌把握反射は、手掌に圧がかかると誘発され、圧をかけている物に対して指がその周囲を覆って掴んだり、持ったりします🍀
これは反射的な反応であるため、乳児の意思とは関係なく働く機序です☝️
乳児の時には、手と口は直接的につながっているといわれていて、手掌把握反射は乳児がミルクをボトルから飲んでいるときに顕著に見られます🥛
乳児がボトルからミルクを飲む度に手が反射的にボトルをつかむ動作が見られると思います👀👀
<出現時期🍀🍀>
手掌把握反射は、子宮の中で11週目に出現するといわれ、生後3−6ヶ月の間だけ活発に働くといわれています。生後6ヶ月を過ぎる頃に、自分の手を随意的に動かせるようになり、近くにあるおもちゃや人形に手を伸ばすようになります。
<手掌把握反射が統合されていない場合💦💦>
統合されていない手掌把握反射によって、子供は以下のような困難に直面する場合があります。
・微細運動機能に困難がみられます。例えば、小さい部品をつかむ、書字、食事動作、洋服のジッパーを上下させるといった動きがあげられます。
・発話や明瞭な発音の問題に直面する可能性が高くなります。
・微細運動課題を行なっている際、力が入って口の動きを誘発してしまいます。(例えば、舌を出す、口を左右に動かすなど)
・特に手の触覚過敏症がみられます。
・左右の方向を判断するのが困難です。例えば、道を歩いているときに、どちらが右かがわからないことがあります。
・書字障害がある可能性が高いです。
<手掌把握反射が統合されているか確認する方法🔍️🔍️🔍️🔍️🔍️🔍️🔍️>
①被験者の指先が検査者の方に向くようにし、手のひらを上に向けます。
②検査者は、被検者の手の親指の付け根から出発して、小指の付け根までペン先や指先でなぞります。(3回繰り返します)
※もし、この時に指が動いたり、肘が動くようでしたら、未統合の状態が示唆されます☝️☝️
③次に、被験者の手のひらを上に向けた状態で、検査者が被験者の手首から指の付け根までまっすぐ上に向けてなぞります。
※指が動くようでしたら、完全に統合されていない可能性を示唆します☝️☝️
<🍀手掌把握反射を統合するには?🍀>
個人差がありますので、全ての乳児が3−6ヶ月の間に手掌把握反射が完全に統合されることはありませんが、統合の手助けをする活動を行うことは有益です。
乳児の場合、できるだけ腹這いでの活動時間をつくり、手、顔、足への触覚刺激をたくさん得られるようにしましょう🌸😊😊
この時に、様々な素材(毛布、草、木の床、マットレス、ラグ等)の上で腹這いにさせるといいでしょう。
3歳以下の子供であれば、微細運動スキルを発達させていきましょう🌸🌸🌸
・様々な種類の素材や大小様々な形の物体に触れる機会をつくっていきましょう。小さい物体はつまみ動作の練習になりますし、大きい物体は掴み動作の練習に良いです。
・容器に物を入れる遊びをたくさんやりましょう。三角、四角、丸といった形状の物を、同じ形をかたどった容器に入れたり、お金を貯金箱に入れるなど、手をたくさん使う動作を取り入れましょう。
・手をしっかり開いた状態で床の上をハイハイする活動を行いましょう。指先までしっかり伸ばすように手を広げてあげましょう。
・手全体を使って登らないといけない活動をやりましょう。例えばロッククライミングやジャングルジム、鉄棒、雲梯などといった活動を取り入れましょう。
・豆、米粒、シェービングクリーム、粘土といった素材を使って感覚刺激を促す活動を行いましょう。
3歳以上の子供は、上記の活動の難易度を上げてみましょう。さらに、以下のような活動もおすすめです🍀🍀🍀
・親指で各指を合わせる練習(母指対立運動)ー親指人差し指でOKサインをつくるようにして、全ての指を親指と対立させるように練習します。左右の手で母指対立運動ができるようにしましょう。
・紙を片手だけでくしゃくしゃに小さくしてみましょう。次にくしゃくしゃにした紙を片手で広げましょう。
・手と口を同時に使用して、複数の感覚処理を必要とする課題(例えば四つ這いハイハイしながら綿ボールを吹きながらゴールまで運ぶ)
・柔らかいボールを手のひらに持ってもらい(手掌面が上)、15秒ほどぎゅーとつぶすよう指示します。これを10回繰り返し、3セット行います。
・粘土遊びーおはじきを粘土の中に埋め込みます。この時、親指が直角に屈曲しておはじきを粘土に入れているかどうかを確認して行いましょう。その後、おはじきを親指と人差し指で取り出します。この時も、親指がしっかり曲げられているかを確認しましょう。
もし子供が統合されていない把握反射の症状を呈して困難に直面している場合は、次のような事柄を試してみてください☝️☝️😊
⭐︎スピーチや明瞭な発声に困難を抱える場合、
・経験のある言語病理学者を探しましょう
・ゆっくり話すように練習して、音を正確に出せるようにして、子供が大人の口の動きを見て真似できるようにしましょう
・音を出すゲームを行うー口を使って様々な音を出す練習を行いましょう
⭐︎微細運動をしている際に口が動いてしまう場合、
・ガムを噛んだり、固い飴をなめながら微細運動課題を行うことで、口の動きと手の運動の動きを分離する手助けをしましょう
⭐︎触覚過敏に対しては、
・手が汚れるような触覚遊びをたくさん行いましょう。様々な乾燥したあるいは湿った触覚媒体を使用します。例えば、シェービングクリーム、米、ピューレ食品、小麦粉、パンケーキの素などがあります。
・無理に押し付けず、まず大人が行なっているところを見せて、どんなに楽しいのかを見せることによって、子供も真似をしたくなると思います。
・子供の好きなおもちゃを使って、いろいろな触覚媒体にオモチャを入れてみましょう。そのあとはおもちゃをお風呂に入れてきれいに洗ってあげましょう。
⭐︎左右の弁別(8歳以降にならないと、左右の弁別は難しいといわれています)
・外を散歩している時に、方向を具体的に指し示す練習を行いましょう。
・物を書いている時や食べている時に利き手を認識できるように、現在使用している利き手を教えてあげましょう。大人の動作を見て、利き手がどちらかを当てるゲームも取り入れてみましょう。
・“サイモン曰く”という遊びをやってみましょう。アメリカでは、“サイモン、セズ(Simon says)”と言われたら、サイモンの命令に従わないといけないゲームがあります。このゲームを利用して、“サイモンセズ、右手で左耳を触りましょう”と命令して、ゲーム感覚で左右を覚えしょう。
⭐︎書字障害
・お手本を横に置いて書かせることで、文字をひっくり返して書くことを減らすことができます。
・蛍光ペンを使って、どこから書き始めるのかをわかりやすくしたり、文字の大きさの支援を行うことができます。
・複数の感覚刺激を使用して、書く練習をします。例えば、利き手の人差し指を使って砂やシェービングクリームの中で書く練習をしましょう。
原始反射が統合されていなくても気に病むことはありません🌸🍀🍀発達段階には人それぞれのペースがありますし、子供たち一人一人は違う特性を持っています😍☝️🌸🌸
もし手掌把握反射が統合されていなくて、他の児童に比べて様々な面で困難を抱えていたとしても、できる限りの支援と援助を行なっていくことが大切になります。常にその時にできる最大限の支援を行なっていき、常に新しい研究にも目を向け、何が一番その子供にとって有益になるのかを探していきましょう。現在行なっている支援が通用していても、子供は成長しますので、新たな支援方法を模索していく必要性がでてくるでしょう。
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